私にとって英会話を教えることは・・・

講師になるまでの物語6




この世界に生きる喜び

(私にとって英会話を教えることとは・・・)


帰国後英検一級を取得して大手英会話スクールの講師として一年間働く。 以後独立、生徒さんが望む高い英会話力を身につけてもらえる理想のレッスンを追求し続ける。

ハワイからの帰国後あたりから哲学的思索により、自分には「今、生きている」ということすら何なのかはまったくわかっていなかったということに気づく。 それは永遠の生命を目指したいと言う考え以前の問題だった。

もういちどふりだしに戻り、「意識とは」「心とは」「生きているとは」など根本的な問いを考え続けるうちに、「世界」というものをそのままそっくり肯定しても良いという考え方に徐々に行き着いた。 つまり自分の存在を生まれたままにそのまま受け入れるという当たり前の考え方に落ち着きはじめたのだ。

結果、当初目指していた科学者になる夢はいつの日か過去のものとなっていった。 昔は、知的好奇心の追求、そして永遠の生命を目指すことでエネルギーを得ていた生き方だった。 それが徐々に、ピアノを演奏することでこの世界の存在の素晴らしさを感じることや、サーフィンをして自然と一体化することなどの「今を生きる喜び」を感じることからエネルギーが湧いてくる生き方へと移行していった。 この宇宙のことなどは何も知り得ないという事実すらも安らぎを妨げるものではなくなっていった。 その途中経過には「自由意志」というのものが実在するのかという哲学的な問いが大きなテーマであった時期があり、”個”や”自己”という概念のとらえかたは大きく変わり、自らの世界観、人生観に計り知れない影響を与えた。 なにもわからない、ということがわかるまでにずいぶん時間がかかった。 何もわからないが、この世界には無限の可能性がある。

海と一つになる体験、水にふれる感覚、草花や空、風景や色彩、音楽体験、愛、スポーツやダンスなど、その他の無数の感覚が強烈に心を動かしてくれるドラマティックな現実を生きているのだ。

以後、人生のテーマは「愛」や「幸せ」というものを追求すること。 すべての状況のポジティブな面を意識すること。 ふれあう人々と心を通わせること。 心の中に愛を育てること。 心のある道を選ぶこと。

国際語である英語を理解するということは自分の世界観を大きく広げる道具になりうるので、英会話を教えるという仕事を通していろいろな人々の人生がより豊かなものになる手助けが少しでもできれば私自身の大きな幸せにつながると信じている。 私の友人に、子供の頃に通った英会話教室での楽しかったレッスンがきっかけで、留学をして自分自身が英会話教室の教師になった人がいる。 友人いわくその先生に会って夢がふくらんだらしい。

私から英語を習うことを選んでくださった生徒さんに、少しでも夢が広がるようなきっかけをいっしょにつくりだせたら最高だと思う。

私がここまで歩いてこれていることに、支えてくれる家族、愛してくれる友人達、信頼してくださる生徒さん達、世界中の人々や生き物に心の底から感謝します。