アヌマッス

Annemasse

Chamonix-Mont-Blanc France

アヌマッス Annemasse(フランス)


写真はすべて講師撮影です

友人宅を訪ねて、ジュネーヴから8kmのスイスとフランスの国境の小さな町アヌマッスへ。

以前はWHOで働いていた友人もその例だが、この小さなフランスの町の住民は、ほとんどが給料の良いスイスのジュネーヴで仕事をしている。 逆にスイスの多くの人々はこの町に食料品や他の生活必需品などを買い物にやってくる。 友人宅ではアルパイン料理が美味しかった。 凝った料理やエスカルゴなどよりも本場のポトフが一番気に入った。



子供達の創作料理

二段重ねのホットプレートで豪快にチーズやらベーコンやらを焼く

この素朴な料理はヨーロッパ旅行の中でもトップクラスに美味しかった



子供達には日本に帰らずにこの家に一緒に住んでとせがまれた


友人のアートの展示会で出会ったスイス人の画家との会話すると、キースジャレットを聴きながら描くことが多い、今まで自然の風景の美しさに感動した体験を絵で表現したいと言う。 また、フランス人の現代彫刻家との会話も興味深かった。 彼は大理石に触れていること自体がまず大好きだそうで、ひとたび制作にかかると、何ヶ月も同じ石の塊と向き合うことになる。 石はその形成に何千万年という時間が流れている。制作ではその時間を超えて石の内部に彫り進むうちに、違う時代へのタイムトラベルや、違う次元への移動を経験することになる。 例えば長い長い時間をかけてサンディングで磨き上げることで初めて表れてくる模様もあるそうだ。 こうして完成した作品は、それが形に成るべくして待っていた存在であって、自分はその作業を自動的にこなしていく。 こういう話は本当に面白い。 アーティストたちを突き動かす力の正体に触れるという体験は本人たちとの会話なくしてはなかなか味わえないことだ。 以前に通訳の仕事の時に出会った現代アーティストとの会話を思い出したが、個展で、彼は、展示会場の最初の部屋に数千ものお子様ランチの旗みたいなものに、百科事典から切り取った地球上のあらゆる植物の写真を貼って床に立てた。 その次の部屋には床にランダムに転がした同じく数千もの黒いサイコロのうち1の目が出た部分だけを白色に塗るという展示。 3つ目の部屋には一見、何も展示されていない、と思ったら部屋の奥のクローゼットのような空間を覗くと占い師が使いそうな綺麗な水晶玉が一つ置いてあるだけという作品。 これの解釈だが、僕なりに考えて、最初のものは人間が地球のあらゆるものに名前をつけて自分なりに理解したつもりになる。 次のものは宇宙を表しており、サイコロの1の目は偶然を表しており、星を結んで星座という名前をつける行為を示す。 いずれも人間にとって、この宇宙や地球というものを自分たちの五感で、自分たちにとって知覚される様式自分たちの言語で分類し理解したつもりになっているが、最後の部屋にある水晶に映し出されるものは結局自分自身の姿。

つまり、宇宙のすべての物事を表記して増えていく百科事典の1億冊目の最後の本には結果として、世界の物事がどのように知覚されているかということを観察することによって、我々人間という存在がどのようなものなのかを教えてくれるに過ぎない、つまり我々は世界を見つめるという行為で、我々自身を見つめようとしているに過ぎないということを表現したものなのかと尋ねたことがあるが、これに関しては晩御飯を食べながら酒も飲んでいたそのアーティストは「なるほど、君はそういう解釈をしたのか、それは本当に面白い!」とヘンな感心をしていたが本人の意図はまた今度の機会に紹介するよ。 僕のアートは意図を明確に説明しないスタイルなので。 と言われてしまったこともあった。 彼は僕が通訳担当のアーティストではないのでそれで構わなかったのだが、こういう話が深くできるのは本当に面白いものだ。 結局、その展示作品の話ではなくて、彼自身のある意味、世界の悟りのような体験をしたことなどの話に逸れていきながら夜は更けていった。

シャモニー モン ブラン Chamonix-Mont-Blanc

モンブラン山のシャモニーはヨーロッパ屈指のスキー&スノーボードリゾートだ。 登山でも古い歴史のある町らしい。 生まれて初めて見るアルプスの青白い氷山グレーシャーの美しさに心を奪われた。 地中の鉱物から流れ出す水質のせいだろうが薄青い乳白色の色の水が流れる美しい川も印象的だった。