橙色に黄昏ていく時間に波を待っている時、ゴールドの混じった虹色に海面が揺らめくことがある

まもなく夜の領域に取り込まれてしまう気配を感じさせる暗い水と溶け合って

濃く艶めいたベネチアンガラスのようなグラデーションが無限に分光していく

複雑に増殖し続ける色彩の情報

処理しきれずオーバーロードする僕の脳

空も海も宇宙も壮大な同系色に融合する頃

恍惚感に陶酔した僕の意識は

自分と世界の境界線を越えて

滲み出すように、雲のように

あらゆる方向にフローしていく