小さなプロフェッショナル
(写真はこの記事の仕事の実際の給与明細ですが、Aさんの本名は伏せてあります)
2015年8月26日
小学生6年生の生徒さんに仕事を紹介した。
おつかいではなく、謝礼の発生する本物の仕事だ。
街行く外国人に英語でインタビューし、観光に関しての質問をアンケート用紙に記入してもらう2日間の調査。
広島県から委託されたこの仕事、大学生か社会人の生徒さんに紹介するつもりだったが、一生懸命にがんばっている小学生のAさんにチャンスをあげたいと思った。
将来は、通訳や国際ジャーナリストなど、英語のプロを目指しているAさんに声をかけると「やります!」という気持ちのよい返事。
調査会場は秋吉台。 今年、春先のある土曜日と日曜日だった。 広島県が美祢市に許可証を作成してもらい、それを胸に付けた小学生が、様々な国から来た外国人達に片っ端から話しかけている姿はなかなか珍しかったことだろう。
見守るお母様の不安をよそに、本人はかなり楽しかったようで、「こんなにたくさんの外国人としゃべりまくったのは生まれて初めてだし、英語が上手だって褒められてすごく嬉しかったです」という感想だった。
調査の時間帯は、人通りの多い10時から14時ぐらいまでで良いとの依頼だったのを伝えてあったが、Aさんはそれよりは多少長くねばったようだ。 広島県からAさんへの謝礼は、2日間で5万円。 2日間で実働8時間程度。 時給に換算すると6000円ぐらい。 実は、Aさんには謝礼のことは隠しておいたので、「え?本当にいただけるんですか? しかもこんなに!!!」とかなり驚いていた。 お金がもらえるとは考えていなかったようだ。仮に無料奉仕だったとしても彼女はきっとよろこんで引き受けただろう。
それでも、Aさんにとって、生まれて初めて自分の英語力が社会から金銭という目に見える形で評価されたのだ。
この5枚のお札が毎日一生懸命に何時間も勉強して高めてきた自分の英語に対する報酬なのだ。 自分の英会話力が社会の役に立つと実感できたのだ。
ご家族も感動されていたようだが、彼女本人は、未来の自分の仕事に対してのイメージがまた少し具体化した瞬間だった。
僕もとても幸せだ。
こうやって、生徒さん達は、
一歩一歩夢に近づいていく。