surfblog 2022 


2022年月1

YouTubeのもたらすスポットライト


YouTubeがサーフィンというスポーツに与えるポジティブな影響は計り知れないと思う。

その反面、たった一本のビッグウェーブのライディングの映像を残すだけで世界的に有名になれるという事実は危険も含んでいるような気がする。 

誰も見ていないような場面では理性的に危険を避ける行動が取れる人間であっても、この一本のテイクオフが自分の人生を変えるかもしれない、という欲望に影響されたときに、判断を狂わされるサーファーもいるのではないだろうか。

 パドルを始めた時に、世界中の人々に視聴してもらえることを意識することがプラスの勇気を与えてくれ、冷静に自己最高のパフォーマンスを成し遂げるのか、それとも栄光への野心に支配された時、死神のような何かに引き寄せられるように、危険なワイプアウトの暗闇に落ちていくのか。







2022年月10日

マニューバーのバリエーション


CT(サーフィン界最高峰の世界ツアー)のベルズビーチでの大会のこと。

マイキーライトが一本のライディングで3回か4回も同じようなレイバックスナップを繰り返していた。

すごいサーファーだし、すごい技だし、すごいライディングなのは間違いないんだけれど、ワンパターンに思えて退屈だった。

フィリペトレドが勝った結果は僕もとても納得している。

結局どれだけ派手な技を出したとしても、ライディング全体のバランス構成を考えて、効果的に使わないとインパクトも薄くなるということだと思う。

フィリペトレドだって、以前のように一本のライディングにそっくりなエアリバースを何度も何度も繰り返したりはしなくなった気がする。

どれだけすごいエアリバースだとしても、フィリペトレドとかガブリエルメディナとかがあまりにも高い成功確率でどんどんメイクすると、皮肉にもジャッジにも観客にも、その技がだんだんあまりすごくないかのように見えてくるのかもしれない。 だからこそ、フィリぺは今では普通っぽいカービングをメインにして、ここぞというセクションで爆発的なエアーを入れてくるような構成も自分の引き出しに加えているのだと思う。  

大会で優勝するには、ジャッジが気に入るライディングの構成をするセンスが重要なのかもしれない。






2022年4月1日

スカイ・ブラウン


日本人とイギリス人の両親を持つ13歳のアスリート。

東京五輪はスケボーのパークで銅メダル。

日本名はブラウン澄海

宮崎市生まれで、コロナ前までの居住地は一年の半分は宮崎県高鍋町、半分はカリフォルニア。

サーフィンも相当レベルが高く、エアーなどのトリックも今の段階でも完成度が高い。

その上メンタルや勇気はメンズのトップサーファーたちにも負けていないと思う。

そのことが垣間見えるのが、11歳だった2020年、カリフォルニアでのスケボートレーニング中のハーフパイプでの事故。 

数メートルの高さからの落下で頭蓋骨骨折及び左手首・左腕骨折という重傷を負って、意識不明のまま救急入院。 

生きていたのが幸運だったと言われたほどなのに、直後の入院中にファンに向けて語ったポジティブなメッセージは誰もが勇気づけられたと思う。 その後に復帰し、1年延期になった東京オリンピックで金メダル争いをするほどに復活を遂げた。

おそらく彼女はスケボーと同じぐらいサーフィンを愛している。 

彼女が求めるならば将来CTデビューは間違いないだろう。

この子がCTでチャンピオンになるのを見たいと思うのは僕だけではなさそう。

同じように、日本人とイギリス人の両親を持つIちゃんも、スカイブラウンに影響されてサーフィンとスケボーを始めてたね。 

君も必ず上手になると思うよ!頑張って!






2022年3月1日

になりたい?


英会話のレッスン中のふとした会話で、「あなたがボクサーだったら誰になって、誰と戦いたいですか?」

という質問を受けた。 僕は井上尚弥になってマイクタイソンと戦いたいと答えた。 

井上尚弥165センチ体重60キロ 

タイソン178センチ体重100キロ

体格差が大きすぎて、井上尚弥がタイソンぐらいのサイズだったらという設定にしてくださいって神様に注文するけど。

その設定がOKなら現役ピーク時のタイソンがいいかな。

もうゲーム感覚ですね。 タイソンを体感してみたいという好奇心。

もちろん今のままの自分だったら100m以内に近寄りたくないです。


じゃあもし神様に「誰でも良いからプロサーファーにしてやろう」と言われたら誰になりたいですか? そしてどこでサーフィンしてみたいですか?

うーん。 ケリースレーターとか、ジョンジョンフローレンスかな。

どこに入りたいか? ジョーズ(ハワイのマウイ島)とかチョープー(タヒチ)のビッグウェーブ。 

ケリーもジョンジョンもジョーズのエキスパートではないけど。

他はパイプとかジェイベイとかのデカい波とかになるのかな。 

こちらも今の自分そのままのサーファーとしては、上記のどのコンディションにも近寄れないし、入りたいって思えない。 陸から見てても手に汗握って背筋が凍りそう。

自分自身がサーフィンしてるからこそ理解できるってのがありますね。 サーフィンしたことない人だとパイプのチューブライディングとかは簡単そう!とか言います。 何の分野でもめちゃくちゃすごい技って一見簡単そうに見える時がありますね。









2022年月1日

AJの景色


僕の友達のサーファーはみんな、一人一人と結びつく映像が僕の中にある。


その人がいつも海に入っている時間帯が朝イチであれば夜明けの空気の匂いと眩しい朝陽の光だとか、その人のお気に入りのサーフスポットにある広い砂浜だとか岩壁だとかテトラポットだとか漁港だとか、そういうのでそれぞれのサーファーのイメージができてる気がする。


あとは、そのサーファーがすごい印象深いライディングをしたシーンが忘れられないとか、その時の空を舞っていた雪だとか、夏にしか行かないポイント周辺の焼けるアスファルトだとか、そういうすべてが僕の記憶の中でそれぞれのサーファーにタグ付けされている。


たとえばAJの景色は僕らのお気に入りのポイントで今まで何度も見た夕陽だ。

良い波に乗って気持ちよくなってるせいで感動しやすくなり、ふとした瞬間にAJか僕、「うわーすげー!」と空を眺めて声を上げる。

それに気づいた仲間たちも波を探していた水平線から視線を上げる。

太陽が沈みゆく山際の空から赤、オレンジ、ピンクとかの色が滲みながら揺れている。

近くの雲の隙間からは天国の黄色も降り注いでいるし、宇宙に溶けつつある遠くの空の雲は、寒色系の花を何種類も混ぜ合わせたような光沢が幾重にも飾っている。


昔から繰り返して幾度となくこの光景に出会うのだけど、その度に「あれ?またいつの間にかいつものこのシーンになってるね」というのが僕とA Jのいつものセリフ。


そうだ。 前回この景色を見た日から確かにいろんな出来事があって、お互い色々と笑ったり泣いたりすることもあっただろうし、たしかに時は流れたはずなんだけど、

またいつの間にかこの場面に戻れている。 そのことがなんとなく不思議で、そしてなんとなく自然で当たり前のようにも感じられて、でもやはり奇跡のようでもあって、そしてそれがすごい嬉しくて、すごい幸せな気持ちになって周りのみんなも巻き込んで大笑いをしたりする。


サーフィンに夢中になった僕たちサーファーはみんな「終わらない夏」を生きているのかもしれない。


AJっていう男も僕のエンドレスサマーだ。









2022年1月1日

子供達をスクリーンの中から連れ戻せ


世界中の子供たちがオンラインゲームやSNSに夢中で、多くの時間をスクリーンの中の世界で過ごしている。

家族と会話もせず自分の部屋に一人で閉じこもり、ネット上の友人たちと繋がって、何時間もオンラインゲームやSNSの世界から出てこない。

スクリーンの中の世界も楽しいだろうが、それよりもこの現実世界の桁外れの凄さを、強烈な刺激を感じてほしい。 (いつか現実と区別ができない仮想現実世界が実現してしまうその前に・・・)

僕が何よりも彼らに経験してほしいのはサーフィンだ。

もし幼稚園の頃に滑り台が楽しいと思った子供なら誰でも、その100倍の興奮でサーフィンに夢中になるはずだ。

見るだけで陶酔させられる美しい水面の模様。 太古の昔から旅し続ける複雑な水の流れは、地球を廻り刻一刻と変化する風に撫でられ、無数の色彩が混ざり溶け合い、永遠の万華鏡が拡がる。

時として荒々しく身体ごと吹き飛ばされるような、時としてやさしい魔法のじゅうたんのような波に乗れたなら、

今まで生きてきて経験したことのないような重力空間で心も体も歪められ、転がされ、捻られ、海の魅力に引き込まれる。

砕ける波が上げる水飛沫の風圧は魂を揺さぶり、歓喜と狂気は加速して二度と忘れられない景色へ連れて行かれるだろう。

海の中から眺める雲のうねりも、その空のスケールの大きさも・・・

生命の源の朝陽も、全てを染め上げる夕陽も・・・

やがて星空に包まれた時間のナイトサーフィンも、夜光虫の緑色の輝きも・・・

それら全てが海水のしょっぱさと潮の香りとともに、

この世界に儚く存在している「自分」というちっぽけな器を、圧倒的なエネルギーで100%瞬時に満たしてしまう。

「世界」の中に「人間」として独立して存在している輪郭が鮮明に浮かびあがると同時に、また次の瞬間にはその境界線が幻のように消え去り自分と世界は融合し一つになっていく。

過去を想うでもなく、未来を想うでもなく、今、この瞬間にここに純粋に存在している。

そういう刺激を通じて、子供たちにはスクリーンの中の世界なんかでは絶対に満たされようの無い強烈な飢えを知ってほしい。

そしてその飢えを忘れずに生きてほしい。





サーフィン写真






サーフィン用語

ノーズ サーフボードの先端

テール サーフボードの最後尾

レール サーフボードの横の部分(この部分を沈めてターンする)

フィン ボードの裏のサメのヒレのような部分(これもターンに使う)現代のボードは通常3つある(昔は一つだった)

ターン 方向転換のこと (緩やかなターンから急激なものまで)

パドル 波の崩れる沖合までクロールのようにこいで移動すること

ドルフィン 沖にパドルアウトする時に目の前で崩れる波をイルカのように潜ってやり過ごす技

レギュラー 岸から見て右から左に崩れる波

グーフィー 岸から見て左から右に崩れる波

ブレイク 波の崩れ方、崩れること

ショルダー 波の斜面の今から崩れる部分

ボトム 波の一番下の底の部分

トップ 波の一番上の部分

アウトサイド 岸から遠い沖の方

インサイド 岸に近い波打ち際の方

テイクオフ 波を捕まえてサーフボードに立ち上がる動作

カットバック 波の上を走っている最中でUターンをして戻ること

パワーゾーン 波の力が一番強い部分

ライン 波の上の自分が走るコース、そのコース取り

360 走っている最中に360度の水平方向の回転をすること

リップ(オフザリップ) 波のトップでの急激なターン

ドライブターン 脚力、遠心力、高度な体重移動の技術を使って、水中に深くレールを入れて、大きく加速していくターン

カーヴィング 波のトップでレールを深く水中に入れてドライブターンすること

マニューバー 波の上ですべての技術を使ってボードコントロールを行い、思いどおりの動きをすること あらゆる技の総称

メイクする 技を成功させること

エアリアル フルスピードまで加速して、波のトップから空中にジャンプする技の総称

チューブ 波の崩れ方によっては空洞になりトンネルのような土管のような部分ができる

このチューブに入り、そしてメイクすることはとても高度な技術を必要とする

ワイプアウト 波に乗っている時に転倒してしまうこと

パーリング テイクオフを失敗して落下すること

掘れる 崩れる波の斜面が急激に切り立って角度が直角に近くなること こういう波はテイクオフが難しい

たるい 崩れる波の斜面がとてもゆるやかな波のこと

刺さる テイクオフの瞬間やターンの直後にノーズが波に突き刺さること

セクション 波のある一部分 または進行方向の数メートルの範囲

フローター 進行方向の波が一気に崩れるセクションで崩れるトップを無重力で滑るように横に走り抜ける技

前が落ちる 波の進行方向、自分の目の前の波が崩れてしまうことによって、それ以上横に進めなくなること。 それ以降は真っすぐ岸に向かうことしかできないので、その場でライディングをやめたりする